行列式(Determinant)とは、ある行列(線形写像)によって、基底ベクトルが囲む空間の大きさ(2次元なら面積、3次元なら体積)が何倍に変化するかを表す指標である。

📐 幾何学的なイメージ

2次元空間において、基本となる2つの基底ベクトル を考える。

この2つのベクトルが囲む領域は、辺の長さが1の「正方形」であり、その面積は である。

ここで、この空間に行列 を掛け算すると、基底ベクトルはそれぞれ以下のように移動する。

  • は、行列 の1列目のベクトル へ移動する。

  • は、行列 の2列目のベクトル へ移動する。

この移動後の2つのベクトル が囲む領域は「平行四辺形」になる。この平行四辺形の面積こそが、行列式 の絶対値と完全に一致する。

つまり、行列式とは「元の正方形(面積1)が、行列によってどれだけ引き伸ばされたか(縮んだか)という面積の拡大率」と捉えることができる。

💡 具体例

行列 の行列式を考える。

  1. 計算上の値:

  2. 幾何学的な意味:

    • 変形前の基底ベクトルが作る正方形の面積は

    • 行列 によって、基底は に移される。

    • この2つのベクトルが作る平行四辺形の面積(底辺 × 高さ )を計算すると、きれいに になる。

    • すなわち、この行列は「空間の面積を 6倍 に広げる写像」であると理解できる。